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2011年度
翻訳出版事業─「ジャパニーズ・ミラーズ」シリーズ─「芥川龍之介短編集」「湯川秀樹」を翻訳出版

芥川龍之介短編集

(1)ミャンマー語出版

書名 芥川龍之介短編集
著者 芥川 龍之介 著
訳者 河東田 ティンティンナイン訳

本書はミャンマーにおける4番目の翻訳作品です。
短編で多くの傑作を残した芥川龍之介の洗練された多彩な語り口を、ミャンマーの人々にお楽しみいただくとともに、鋭い批評精神、また機知を込めて描きだされた人生の諸相を感じ取っていただければ幸いです。

湯川 秀樹

(2)ベトナム語出版

書名 湯川 秀樹(ポプラ社刊)
著者 二反長 半
訳者 ズオン・チ・ツェト・ミン

本書はベトナムにおける3冊目の翻訳作品です。
原子の中に中間子が存在するという理論を発表し、日本人として初めて1949年にノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士の伝記です。
世界的に有名な物理学者の生い立ちからノーベル物理学賞を受賞するまでの探究心に満ちた生涯を通じて、大胆な発想で未知の世界を追い求めた足跡を、ベトナムの人々にご理解いただければ幸いです。

理事会を開催

3月16日(金)に当財団の理事会が大阪で開催され、2012年度の事業計画書等が承認されました。
詳細については、ホームページ上の「2012年度事業計画書」等をご覧ください。

教育支援事業―2011年度建設校等を訪問

(1)学校建設事業

1) 2011年度建設校―ナノン校の建設状況―

勉学環境に恵まれないラオスにおける学校建設推進のため、一般財団法人民際センター(東京)の協力により、2011年11月から建設を進めていたサーラワン県のナノン校の建設状況を2月15日に視察しました。
現在は基礎工事とコンクリート床が完成、壁のブロック積みが2割程度進行しています。今年7月頃に竣工予定です。

建設中の校舎

ブロックレンガの成型作業

ブロックレンガ積み作業

2) 2012年度建設候補校の訪問・視察

一層の国際社会貢献と国際相互理解の促進を図ることを目的として、勉学環境に恵まれない東南アジア地域における地域住民の意識の改革と教育意識の向上を図るために、ラオスにおいては、2012年度も学校建設を推進します。
2012年度の建設校を決定するため、ラオス南部にあるサワンナケート県のヒンテーク校を2月14日に、サーラワン県のカナオ校、ラオ校を2月15日に訪問・視察しました。
視察では、学校長をはじめとする教員、村長をはじめとする住民代表より教育への情熱、学校建設への意欲、各県・各郡教育局の優先度、その他有効性、効率性を聴取しました。
視察結果をもとに当財団において3月中に建設校を決定し、早期に着工の予定です。

・建設候補校校舎風景

ヒンテーク校

カナオ校

ラオ校

・住民等からのヒアリング風景

ヒンテーク校

カナオ校

ラオ校

3) 大同生命創業100周年記念事業建設校を訪問・視察

大同生命創業100周年記念事業建設校であるシヴィライ校(2004年6月竣工)および当財団が建設したウンパウン校(2011年2月竣工)を2月14日に訪問・視察し、学校長や村民等から竣工後の管理・運営状況、教育環境等を聴取しました。

シヴィライ校の生徒達

ウンパウン校の生徒達

(2)学校支援事業

1) ミャンマーの寺子屋に文房具を寄贈

2月10日、大同生命創業100周年記念事業で建設したピンレーブ寺、ミガダーウォン寺およびナツマウツ寺の各寺子屋を訪問し、勉学環境に恵まれない子どもたちに、学習支援として持参した文房具(ノート、鉛筆、ボールペン)を寄贈しました。

ピンレーブ寺寺子屋で
僧侶に文房具を寄贈

ミガダーウォン寺寺子屋での
授業風景

ナツマウツ寺寺子屋で
生徒達と一緒に

2) ラオスの小学校に図書を寄贈

建設校を決定するために訪問した、サワンナケート県のヒンテーク校 (2月14日)、サーラワン県のカナオ校(2月15日)およびラオ校(同左)の3校へ、生徒の学習援助のために、学習図書およびラオス語版「宮澤賢治」(2010年3月 当財団出版)、「五体不満足」(2008年3月 当財団出版)を寄贈しました。

寄贈図書とヒンテーク校の
生徒達

寄贈図書とカナオ校の
生徒達

寄贈図書とラオ校の生徒達

大同生命国際文化基金外国人奨学金制度―ミャンマー、ラオスの奨学生と面談

(1)ミャンマーの奨学生と面談

奨学生と記念写真

2月11日、ヤンゴンにおいて、奨学生(奨学生5名、卒業生7名出席)と面談を行いました。
約2時間15分にわたり、奨学生・卒業生の現況・将来の目標等を聴取しました。
なお、ミャンマーの奨学金制度は2011年度をもって収束しますので、これが最後の奨学生面談となりました。

(2)ラオスの奨学生と面談

1) サヴァンナケット教員養成短大

5名の奨学生全員が卒業前の教育実習中であり、うち2名の奨学生について、2月14日の建設候補校視察の途中に、教育実習校または郡教育局で面談し、教育実習の状況、将来の目標等を聴取しました。

2) パクセ教員養成短大

2月16日、パクセ教員養成短大で行いました。5名の奨学生と約1時間にわたり面談し、当財団の奨学金制度の目的を説明するとともに、奨学生の現況、将来の目標等を聴取しました。
上記2短大の奨学生の今年6月の卒業をもって、ラオスの奨学金制度は収束しますので、今回が最後の奨学生面談となりました。

教育実習中のパクセ教員養成
短大の奨学生と一緒に

サヴァンナケット教員養成
短大の奨学生と記念写真

アジアの現代文芸「ウダイ・プラカーシ選集」を翻訳出版

「アジアの現代文芸」シリーズの58冊目にあたり、インドとしては7冊目になる以下の作品を翻訳出版しました。

・作品名:ウダイ・プラカーシ選集
・著作者:ウダイ・プラカーシ
・翻訳者:石田英明

現代ヒンディー文学を代表する作家ウダイ・プラカーシの日本で初めての作品集です。
収められた作品はいずれも、己の人生を懸命に生きようとしながらも、過酷で複雑な現代社会に適応しきれず、空しく力尽きていく主人公の姿を鋭く描き出しています。その一方で、人の営みを愚かしさをふくめて丸ごと描き出そうとする作家の、人の生きる姿に対する温かい眼差しを感じさせるものとなっています。
これらの作品を通して、現代インドの人々の社会、生活、慣習、考え方などとともに、その背後にある歴史、宗教や風土にまで、思いを広げてご理解いただければ幸いです。

アジアの現代文芸「変革の時代」を翻訳出版

「アジアの現代文芸」シリーズの57冊目にあたり、スリランカとしては2冊目になる以下の作品を翻訳出版しました。

・作品名:変革の時代
・著作者:マーティン・ウィクラマシンハ
・翻訳者:野口忠司

本作品は、昨年10月刊行の「変わりゆく村」に続く第二部で、来年刊行予定の「時の終焉」と併せて、スリランカの高名な作家であるマーティン・ウィクラマシンハの三部作を構成しています。
前作では、地方の特権階級の家族の崩壊が時系列的に描かれていましたが、第二部の本書では、裕福な家庭に育ちながらも、価値観の違いに苦悩し、翻弄される子や孫たちの姿が見事な筆致で描かれています。

翻訳出版事業―アジアの現代文芸「ジブリールの翼」が日本翻訳家協会特別賞を受賞―

表彰される片岡氏

当財団が、今年3月に出版しました「ジブリールの翼」(ムハンマド・イクバール著)と翻訳された片岡弘次氏が、日本翻訳家協会の“特別賞”に決定し、授賞式が10月28日学士会館(東京 神田)で行われました。
ペルシア語またはウルドゥー語で書かれたイクバールの詩は、現代パキスタンにおいて最高峰のものとされ、1935年刊行の「ジブリールの翼」は、イクバールの最も優れた詩集と評価されています。
当財団は、2007年に翻訳出版した「地獄の一三六六日―ポル・ポト政権下での真実―」(カンボジア)で、同協会の“第43回日本翻訳出版文化賞”を受賞していますので、それに続く受賞となりました。

第26回大同生命地域研究賞の贈呈

第26回大同生命地域研究賞選考委員会(委員長:松原正毅氏)が5月25日に大阪市で開催され、次の方々が受賞者に決定いたしました。
受賞者に対する贈呈式は、7月22日にクラブ関西(大阪市)で開催いたしました。

理事長交代について

当財団の理事長について宮戸直輝が退任し、喜田哲弘(大同生命保険株式会社 取締役社長)が6月28日付で新たに就任しました。

〔理事長就任挨拶〕

このたび、8年の長きにわたり理事長を務めました宮戸前理事長の後を受け、公益財団法人 大同生命国際文化基金の理事長に就任いたしました。

当財団は大同生命保険相互会社(当時)の創業80周年を記念して、日本と諸外国との文化交流の実施を通じて、国際相互理解の促進を図り、日本の国際化に貢献することを目的として1985年に設立されました。

アジアなどの発展途上国を主な対象地域として事業を展開してまいりましたが、「大同生命地域研究賞」の贈呈が今年で26回を迎えるとともに、翻訳出版事業である「アジアの現代文芸」は56点、「ジャパニーズ・ミラーズ」は27点の作品を出版してまいりました。また、教育支援事業については、その一つとして手がけております学校建設において、東南アジア各国に17校の学校を建設することができました。
当財団は諸外国との文化交流にいささかなりとも貢献したいと願いつつ、これらの諸事業に継続的に取り組んでまいりました。

これからも当財団の設立目的をしっかりと継承し、微力ではございますが事業発展のために鋭意努力してまいる所存でございます。
前任者同様よろしくご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

平成23年 6月28日

公益財団法人 大同生命国際文化基金
理事長 喜田 哲弘

理事会・評議員会を開催

5月18日(水)に当財団の理事会が、6月20日(月)に評議員会が開催され、2010年12月─2011年3月期の計算書類等が承認されました。
詳細については、ホームページ上の「2010年12月―2011年3月期事業報告書」等をご覧ください。