アジアの現代文芸の翻訳出版
ミャンマー
出版年月日 1992年7月29日
農民ガバ
- 著者
- :マァゥン・ティン 著
- 翻訳者
- :河東田静雄 訳
- 総頁数
- :247
第二次世界大戦下、ビルマがイギリスの支配から日本の支配へと移る中、善良なガバのようなビルマの農民たちは、同じアジアの国の日本軍が英国支配から開放してくれるものと期待を寄せていました。ところが、実際にガバたちの前に現れたのは、非情な日本兵たちでした。やがて、イラワジデルタ地方の村に抗日革命の旗が掲げられます。歴史の波に翻弄されながらもたくましく生きる主人公ガバを通して、日本軍占領下のビルマの農民の生活を活動的に、面白く、風刺的に描いた小説です。人々がどのような戦争体験をしたのかを、ビルマの典型的な農民の視点と立場から描いています。主人公の戦争体験は、ビルマの農民ひいてはビルマの民衆一人ひとりが被った戦争体験と多かれ少なかれほぼ共通していると言っても過言ではないでしょう。当時のビルマの政治や社会状況についても、事実に基づいて正確に描かれています。