アジアの現代文芸の翻訳出版
パキスタン
出版年月日 1988年12月15日
黒いシャルワール
- 著者
- :サアーダット・ハサン・マントー 著
- 翻訳者
- :鈴木斌、片岡弘次 編訳
- 総頁数
- :267
表題の「黒いシャルワール」を始めとする12編の短編が収められています。これら掌編の登場人物は、ほとんどが社会の底辺に生きる人々―売春婦、精神病者、失業者、難民―などです。そして、どの作品にもインド、パキスタンの分離という問題が大きな影を落としています。売春婦を主人公にしてセックスの問題が人間の生の根源とどのようにかかわりあっているか問題提起している「黒いシャルワール」、そして「開け」などは、猥せつとみなされ裁判沙汰にまでなりました。じめじめと深刻になりがちな題材を、軽妙な文体でからっと仕上げています。