アジアの現代文芸の翻訳出版
インドネシア
出版年月日 1993年4月20日
ヌキのいない旅
- 著者
- :アイプ・ロシディ 著
- 翻訳者
- :粕谷俊樹 訳
- 総頁数
- :233
インドネシア西部の村ジャティワンギを舞台に描く、著者20歳のときの自伝的青春小説。村での結婚、出産、子育て…やがて若い夫婦は大都市ジャカルタで新しい生活を試みますが、都会の生活に疲れた二人は故郷ジャティワンギに戻ります。それから一年。「お前たち、ジャカルタに帰るなら、二人で帰っておくれ。子供は私たちと一緒にここに残しておくれ」――母のたっての願いで娘のヌキをおいて、ふたりはジャカルタに向けて再び村を旅立ちました。
村での生活、人々との交わり、祖母の病気などさまざまな出来事を通して、インドネシア、特に西部ジャワの慣習、自然環境、さらには家族関係や社会との関わりなどが淡々と綴られています。短編「祖父クウ」も収録。本作はフランス、旧ユーゴスラヴィアでも翻訳されています。