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アジアの現代文芸の翻訳出版

パキスタン

出版年月日 1992年12月12日

ダーダーと呼ばれた女

著者
:ハディージャ・マストゥール 著
翻訳者
:鈴木斌 編訳
ジャンル
:小説
原作出版年代
:20世紀後半
総頁数
:219

パキスタンを代表する女流作家、ハディージャ・マストゥールの短編9編を収録しています。パキスタン社会が抱える深刻な社会問題の鋭い提示と同時に、恋愛や結婚、家庭生活で女性が直面する普遍的心理が描かれています。表題の「ダーダーと呼ばれた女」は、自分が女であることを拒否し、悪い奴を意味する“ダーダー”と自らを名乗った女の悲劇を描いています。甘い結婚生活も束の間、家計は姑が握り、夫も母親の言いなり。子供が生まれたものの姑に取り上げられ、彼女は家を追い出されます。希望を失った彼女は泥棒仲間に加わり、あげくの果てに監獄送りとなります。そこに赤ん坊を連れた女囚が入ってくるのですが…。宗教上の諸規制や慣習といった束縛のなかに身を置くイスラム教徒の女性たちは、社会の表舞台に登場することもなく、その実像は厚いカーテンの裏に覆い隠されています。著者は、同性である彼女らに対して、深い同情と共感を示しながらも、冷めた目で観察し、パキスタン社会で厳しい立場に置かれている女性の肉声をじかに伝えています。