吉田 よし子 氏

略 歴
現職 食用熱帯植物研究者 吉田 よし子 氏
主要職歴 1958年〜66年 農林省農業技術研究所農林技官
1985年〜87年 東京農業大学客員研究員
1986年〜93年 キャンベルスープ株式会社
          食品技術研究所在日技術アドバイザー
1988年〜92年 相模女子大学非常勤講師(食生態学)
1994年〜99年 ネイチャーズ・サンシャイン株式会社
          技術アドバイザー
主な著書・論文
1. 『熱帯のくだもの』(楽游書房1978)
  2. 『熱帯の野菜』(楽游書房1983)
  3. 『香辛料の民族学』(中公新書1988)
  4. 『市場の新顔野菜』(誠文堂新光社1992)
  5. 『熱帯アジア14か国の家庭料理』(楽游書房1993)
  6. 『野菜を食べると病気にならない理由(わけ)』(PHP研究所1995)
  7. 『おいしい花』(八坂書房1997)
  8. 『野菜物語』(TOTO出版1998)
  9. 『マメな豆の話』(平凡社2000)
  10. 『東南アジア市場図鑑』植物編(弘文堂2001)
     
  以上のほか現在にいたるまで論文著書多数


  業績紹介
「熱帯アジアの作物と食物の調査研究とその普及に対する貢献」に対して


吉田よし子氏は農学の研究者であったが、夫君である故吉田昌一博士が国際稲研究所(IRRI)の研究部長に就任されたことにともない、1966年から84年までの長期間フィリッピンに在住された。

フィリッピン時代から、熱帯アジアの作物と食物の調査研究に従事し、数々の著書を発表している。それは、アジア各国の研究者が集まる国際研究機関に夫君が勤務していたことを生かし、研究者の夫人たちから情報を得ては、現地を訪問して調査をおこなうという、国際的な女性のネットワークをつうじてなされた作業である。大学や研究所に所属せず、自費でフリーな立場から調査研究に携わってこられたのである。

この分野における吉田氏の特色は、農学者としての植物学と化学の正確な知識の基礎のうえにたって、主婦の立場から食品加工技術、料理法にいたるまでを調査し、自然科学と食文化が一体となった情報を提供していることである。たんなる記述に留まらず、みずから台所で加工や料理を実践した、生活に役立つ実用知識としても価値の高いものである。

吉田氏の著作をつうじて熱帯の果物や野菜に親しみをおぼえる日本人が増えたし、熱帯アジア在住の邦人には現地の食べ物にたいする手引き書としての役割を果たしている。

民間人としての立場から国際的な交流活動にも取組み、フィリッピン在住邦人の女性たちのボランティア組織である「フィリピンに学ぶ会」を1980年に設立し、自ら会長も務めている。この会はマニラに本拠を置き、文化、語学、食物、園芸などのサークル活動をつうじて、日比両国の女性の相互理解を深めるとともに、設立当初から毎月ニュースレターを、1981年からは雑誌『フィリピカ』も刊行し、2001年3月現在には、49号が出版された。なお『フィリピカ』は英語版も毎年1冊ずつ刊行されている。

いっぽう、「アジア食卓文化フォーラム」の代表として、アジア各国の食文化と料理の普及活動にも従事した。 また、故吉田昌一記念基金を設立し、今までに熱帯農業の研究を志すフィリッピンの学生30数名に奨学金を与えている。

紹介者:石毛 直道(国立民族学博物館館長)

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